AIの仕事に興味があります。
でも求人を見ると修士や博士の話が出てくるのに、未経験歓迎の求人もあって💦
先に結論からお伝えします。
AIの仕事は「作る側」と「使う側」に分かれます。
国の定義も、この2本立てになっています。
作る側のAIエンジニアは、修士や博士が多数派の世界でした。
ただし「未経験歓迎」と書かれたAIエンジニア求人は、中身が別ものです。
この記事を読むと
- 求人票の「AIエンジニア」が作る側か使う側かを見分けられます
- 30代未経験から入れる入口を、3つに絞れます
- 何から学ぶかの順番が決まります
AIエンジニアに未経験30代で挑む前に知る現実
まず、AIエンジニアは国の職業分類にある職種です。
厚生労働省の job tag に、専用のページがあります。
そこには「特に学歴や資格は必要とされず」と書かれています。
ただし、同じページの続きにこうあります。
大学院で情報科学あるいは工学部、理学部の様々な分野の修士か博士号取得者が多くを占める
実際に働いている人の学歴も、その通りでした。
- 修士課程卒が63.6%
- 大卒が57.6%
- 博士課程卒が30.3%
これは複数回答なので、合計は100%を超えます。
「実際に働いている人に多いと感じる学歴」を聞いた結果です。
中途採用についても、はっきり書かれています。
実績のあるAIエンジニアの中途採用、優秀な大学院生・大学生の新卒採用は争奪戦となっている
求人の出やすさも、他のIT職と比べると高くありません。
| 職業 | 有効求人倍率 | 求人賃金(月額) |
|---|---|---|
| データサイエンティスト | 8.91倍 | 29.6万円 |
| システムエンジニア(Web開発) | 2.54倍 | 36.4万円 |
| AIエンジニア | 1.96倍 | 32.7万円 |
いずれも令和7年度の全国の数字です。
倍率は、求職者1人あたりに何件の求人があるかを表します。
AIエンジニアの1.96倍は、システムエンジニアの2.54倍より低い数字です。
未経験がまっすぐ入る入口としては、狭いほうになります。
出典にした job tag のページ
AIエンジニアと生成AI活用人材の違い

ここで分かれ道があります。
AIに関わる仕事は、作る側と使う側で別ものだからです。
開発する側と使いこなす側
国の基準も、この2つを分けて作られています。
情報処理推進機構のデジタルスキル標準が、それにあたります。
| 基準 | 対象 | 中身 |
|---|---|---|
| DX推進スキル標準 | DXを推進する人材 | 6つの類型に分かれる。AIを作る側はここ |
| DXリテラシー標準 | 全てのビジネスパーソン | 2023年に生成AIの記載が追加された |
作る側の6類型には、データサイエンティストやソフトウェアエンジニアが並びます。
一方で使う側の基準は、職種を問わず全員が対象です。
つまり「AIを使う力」は、エンジニアだけのものとして設計されていません。
今の仕事を続けたまま身につける前提で作られています。
出典にした2つの基準
使う側は、まだ人が足りていません。
総務省の白書によると、生成AIを使ったことがある人は26.7%でした。
前の年の調査では9.1%だったので、増えてはいます。
それでも4人に1人ほどです。
使っていない人の理由
1位は「自分の生活や業務に必要ない」でした。
次に多いのが「使い方がわからない」です。
会社側は、もっと手前で止まっています。
業務で生成AIを使っている企業は55.2%でした。
一方で中小企業では「方針を明確に定めていない」が約半数を占めます。
使える人が少なく、会社の方針も決まっていない状態です。
ここは経験者との差が付きにくい場所になります。
副業として稼げるかどうかは、また別の話になります。
30代未経験が現実的に狙う入口
入口は3つに絞れます。
システムエンジニアとして入り社内のAI案件に寄る
求人の数がいちばん多く、学歴や資格も問われません。
今の仕事の知識と生成AI活用を掛け合わせる
使う側の入口です。業界の中身を知っている人のほうが強くなります。
データを扱う仕事から近づく
求人は多いものの、修士や博士が多い点はAIエンジニアと同じです。
1つ目が現実的なのは、求人票がそう書いているからです。
dodaで「AIエンジニア 未経験」を検索すると166件ありました(2026年9月4日時点)。
上位8件のうち4件は、職種名がシステムエンジニアでした。
その4件には「AIエンジニアの道も」と書かれています。
入口はシステムエンジニアで、AIは入社後の進路という求人です。
残りの4件が、AIモデルの開発を含む求人でした。
3つ目のデータ寄りも、数字を見ておきます。
データサイエンティストの倍率8.91は、この3つでいちばん高い数字です。
ただし学歴は修士が44.7%、博士が29.8%でした。
求人が多いことと、未経験で入れることは別です。
中途で入る人は情報処理技術者や研究者からの転身が多いと書かれています。
年齢についても、先に知っておくと動きやすくなります。
募集での年齢制限は原則禁止ですが、例外がいくつか決められています。
そのうちの1つは、厚生労働省のQ&Aが「基本的には、35歳未満の若年者を想定したもの」と書いています。
「未経験歓迎」と書かれた求人ほど、この枠に寄りやすいんです。
30代は、経験を見てくれる求人と並行して探すほうが通りやすくなります。
年齢制限該当事由について(ハローワークインターネットサービス)
必要スキルと学ぶ順番

順番を間違えると、遠回りになります。
数学や機械学習から始めると、成果が見えるまでが長すぎるからです。
使う側から始める
今の仕事で生成AIを使い、時間を短くできた作業を1つ作ります。
作れるものを1つ持つ
小さくてかまいません。人に見せられる形まで仕上げます。
AI固有の中身に入る
機械学習や統計は、入口を通ったあとで足すほうが続きます。
3つ目を後回しにするのは、順番の問題です。
job tagで働いている人が答えた入職前の訓練期間も、そう長くはありません。
- 「特に必要ない」が21.2%
- 「6ヶ月超から1年以下」が24.2%で最も多い
- 足すと、1年以下と答えた人が54.5%
job tagのページは、この期間について「必須とは限りません」と明記しています。
働いている人がそう感じている、という目安の数字です。
結局、数学からやり直すことになるんでしょうか。
仕事をしながらだと、そこで止まりそうです💦
その心配はもっともだと思います。
ただ、使う側の入口に数学は要りません。
デジタルスキル標準の使う側の基準も、全てのビジネスパーソン向けに作られています。
先に使う側で成果を1つ出すと、学ぶ理由がはっきりします。
理由ができてからのほうが、数学も統計も途中で止まりにくくなります。
AIエンジニアを未経験30代から目指す結論
私は15年ほどこの分野を見てきました。
AIの部署へ移れた人は、先にAIを使って成果を出していました。
作る側から入った人は、ほとんど見ていません。
社内でAIを使えると知られている人のところに、その手の相談が集まります。
案件が集まる場所にいることが、いちばん近道なんです。
作る側のAIエンジニアは、修士や博士が多数派で倍率も1.96倍でした。
30代未経験の入口は、システムエンジニアか、今の仕事と生成AIの掛け合わせです。
使う側は生成AIを使ったことがある人が26.7%で、まだ差が付いていません。
まず今の仕事でAIを使うところから始めてみます。
今の仕事で使った分は、そのまま職場での実績として残ります。
生成AIを本格的に学ぶ場合、講座に入るかどうかで迷うことになります。