時間の大切さをお金に換算できない人は損をする

僕の仕事仲間のWeb制作会社ディレクターから聞いた話です。

ワードプレスという便利なシステムを導入しないお客さんがいるという話です。

お客さんのやりたいことをヒアリングをして、形にするのがディレクターの腕の見せ所。

お客さんの要望はこうだ。

1.記事を投稿したい
2.投稿した記事をカテゴリーを分けたい
3.アーカイブにしたい
4.記事を自分でFTPで上げたい

1~3の要望を聞くと、ワードプレスがベストな回答です。

4の要望は、お客さんが昔FTPソフトを使ってホームページを作成した経験があるからということみたいだ。

少し知識があるので、やる気があるのは良いことだが、今回の案件はレスポンシブデザインで、つまりスマホに対応する必要がある案件です。

レスポンシブウェブデザインに対応させるには、新しいスタイルシートの知識が必要です。
お客さんがホームページを作成していた時代にはなかった技術です。

自分で記事をFTPを使ってアップロードするということはつまり、コーディングができる前提です。
記事を作成する人のコーディングスキルが問われるわけです。

しかも最新のスタイルシートの技術を知っている必要があり、素人にはハードルが高い気がします。

実はプロからすると、こうしたホームページを少しかじった程度のレベルの人が口を出してくるパターンが一番やっかいです。

プロの仕事はプロに任せておけばいいのです。

友人のディレクターは、1~3の要件から最適解はワードプレスと判断し、お勧めをしたが、お客さんは4の自分でFTPを使って記事をアップロードしたいと、いかにも自分のやり方が正しいと通してきたみたいだった。

なぜそこまで、自分でFTPを使って記事をアップしたいのか?

その理由は、システムを入れるより、自分でやった方が安くなるという思考のせいだったのです。

・・・。

僕はこのときに、お客さんの2つの欠点が見えました。

1つはシステム的なこと、もう1つが時間に対する価値観です。

お客さんは、ワードプレスというシステムを導入する初期費用を押さえようとして、自分でFTPで記事をアップロードしようと考えています。

『自分でやった方が安くできる』という思い込みです。

よく考えてみてください。
自分が作業する時間もコストのうちですよ。

例えば、1記事更新するのに1時間かかるとします。
そのお客さんの時給を仮に4000円とします。

月に4本の記事をアップするとすれば、4000円×4本で16000円です。
一か月に16000円を作業する時間に取られるわけです。

記事の内容を考えることは30分として、自分でコーディングする時間が30分という計算です。

ワードプレスを使用しないで自分でコーディングすることは、人生で一番大切な時間をコーディングという作業に使うことになります。

ワードプレスを使うことでコーディングの30分の作業をやらなくても済みます。

つまり、記事を考えることの30分だけでサイトを運営できるのです。

もちろん時間の使い方は自由なので、コーディング30分掛ける時間を記事を考える時間にしてより質の高い記事を書いたりもできます。

ワードプレスを使用せず、自分でコーディングをして、FTPでアップロードすることは、時間の無駄です。

システムを入れて、生産的な時間をもっと増やすべきなのです。

初期費用を浮かすために、自分でやるという発想は危険です。

自分でやらなくていいことをわざわざ時間をかけて、やろうとしているのです。
今の時代、ワードプレスという便利なシステムをだれもが利用できるのだから、利用しない手はありません。

大阪から東京までを新幹線を使わずに、歩いていく人はいませんよね。
電気があるのに、今から電気を発明する人はいないのと同じです。

便利なものがあるのに、それを使わず、自分で作るということは、そういうことなのです。

ワードプレスは、自動的にページを作成してくれます。

2.カテゴリーと3.日付アーカイブページの要件はワードプレスを導入することで自動でページが作られます。ワードプレスを使わない場合は、地獄ですよ。

なぜなら、1記事を追加するだけで、トップページ・カテゴリーページ・日付アーカイブページに、新規追加した記事へのリンクを追加する必要があるからです。

記事を更新するたびに、上記3つページからリンクを追加していくという作業。
なんという無駄な作業を毎回しないといけないのか!?

はっきり言って、時間の無駄です。
ワードプレスを使わずに、記事を更新するデメリットはココにあります。

また、管理の面で支障をきたします。

HTMLファイルの管理が煩雑になり、10記事くらいまでならいいですが、100記事、1000記事レベルになるとファイルの管理はまさにカオスな状態になります。

『ワードプレスを入れるより、自分で更新するということが安い!』という発想が間違いな理由がココにあります。

自分で更新をするということは時間を無駄にする・管理できなくなる等のデメリットが大きすぎるのです。

初期費用が実際に安くなるか?と問われる、ぶっちゃけそこまで費用では変わらないでしょう。

なぜなら、独自でデザインしてコーディングをするわけですから、ワードプレスをいれようが、手で更新しようが、最初のデザインとコーディングを制作会社が行うわけなので、初期費用の面ではそんなに変わりません。

ワードプレスを導入しないという選択をして初期費用を低く抑えれてよかったと思っていると思いますが、実際は、『更新』という一番効率的にやらないといけないと部分で損をしているパターンです。

時間をいかに大切にするか。時間はお金です。
そこに気付いていないため、自分で更新しようという発想になります。

コーディングする時間を減らして、自分のやるべきことに時間を使う方が正解なのです。

ワードプレスを導入する初期費用を、時間を節約できる仕組みだと思えば、日々の更新作業を自動化できます。ワードプレスを導入する本当の意味がわかると思います。

便利なものがあるのですから使わない手はないのです。
現在、インターネット上にあるサイトの6割~7割はワードプレスが使われているともいわれています。

点でしか物事を見れない人は、俯瞰してみたら、実は損していることが多いのです。