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フリーランスエンジニアとして活動する上で、「もし納期に遅れたら?」「納品したシステムにバグがあったら?」と考えたことはありますか?
会社員であれば、万が一のトラブルでも会社が守ってくれます。しかし、フリーランスは「事業者」として、すべての責任を自分で負わなければなりません。
損害賠償問題から目を背けていると、ある日突然、数百万円から数千万円もの賠償請求を受ける可能性があります。この記事では、フリーランスエンジニアが安定してキャリアを築くために不可欠な、損害賠償のリスクと対策について徹底解説します。
フリーランスになって賠償請求されたらどうしよう…
どんな対策をすればリスクを減らせるか知りたい
フリーランスでも入れる保険があるか知りたい

損害賠償なんて考えただけで怖い…。自分には関係ないと思いたいけど…。

その不安、よくわかります。でも大丈夫。正しい知識を身につければ、リスクは最小限に抑えられます。
この記事を最後まで読めば、損害賠償に対する適切な知識と対策が身につき、安心して開発業務に集中できるようになります。
- フリーランスエンジニアが損害賠償を請求される典型的な4つのケース
- 損害賠償のリスクを回避するための契約書のチェックポイント
- 万が一に備える!フリーランスエンジニアにおすすめの損害賠償責任保険
フリーランスエンジニアに損害賠償が請求される4つのケースと対策
まずは、どのような場合に損害賠償請求のリスクがあるのか、具体的な事例を知ることが対策の第一歩です。ここでは、特にエンジニアが遭遇しやすい4つのケースを紹介します。
- 情報漏洩
- 納品物の瑕疵(バグ)
- 納期遅延
- 著作権・ライセンス侵害
1.情報漏洩
クライアントから預かった顧客情報や非公開のAPIキー、ソースコードなどの機密情報を外部に流出させてしまうケースです。クライアントとの間では、通常「機密保持契約(NDA)」を締結するため、情報漏洩は明確な契約違反となります。
自分に悪意がなくても、不注意やセキュリティ意識の低さから情報漏洩を引き起こしてしまうことは少なくありません。
エンジニアが陥りがちな情報漏洩の具体例を見てみましょう。
1.GitHubの公開リポジトリにうっかり機密情報(APIキーなど)をプッシュ
2.公共Wi-Fiに接続したPCがウイルスに感染し、PC内の顧客情報が流出
3.PCやスマホを紛失し、第三者にデータを抜き取られる

GitHubの公開設定ミスは、本当にあり得そうで怖い…。
情報漏洩はクライアントの事業に直接的な損害を与えるため、賠償額も高額になりがちです。基本的な対策を徹底しましょう。
2.納品物の瑕疵(バグ)
「瑕疵(かし)」とは、契約内容に対して成果物が品質や性能を満たしていない状態、平たく言えば「バグ」や「仕様漏れ」のことです。これはエンジニアにとって最も身近なリスクと言えるでしょう。
納品したシステムに重大なバグがあり、クライアントのビジネスに損害を与えた場合、損害賠償を請求される可能性があります。
フリーランスエンジニアがECサイトの決済機能を担当。しかし、リリース後に特定の条件下で決済が失敗するバグが発覚。
このバグにより、クライアントは数百万円の販売機会を損失したとして、その補填を求める損害賠償請求に発展した。
このようなトラブルを防ぐには、開発プロセスと契約内容の両面からの対策が不可欠です。
3.納期遅延
クライアントと合意した納期を守れないケースです。納期遅延はクライアントの事業計画に直接的な影響を与え、機会損失に対する損害賠償に発展する可能性があります。
「自分は大丈夫」と思っていても、予期せぬトラブルで遅延が発生することは珍しくありません。
特に、要件定義の曖昧さからくる手戻りや、クライアントからの「ちょっとした追加修正」が積み重なり、気づけばスケジュールが破綻しているケースは後を絶ちません。

たかが「納期」、されど「納期」です。フリーランスにとって納期は命綱と心得ましょう。
1.バッファを含んだ現実的なスケジュールを提示する
2.タスクを細分化し、マイルストーンごとに納期を設定・共有する
3.契約書に「仕様変更時の納期・費用の再協議」に関する条項を盛り込む
4.遅延が避けられない場合は、可能な限り早くクライアントに報告・相談する
4.著作権・ライセンス侵害
エンジニアが見落としがちなのが、著作権やライセンスに関する問題です。特に、オープンソースソフトウェア(OSS)のライセンス違反は重大な問題に発展しかねません。
また、自分が過去の案件で作成したコードを別の案件に流用する場合も注意が必要です。契約内容によっては、過去に作成したコードの著作権はクライアントに譲渡されているため、無断で流用すると著作権侵害にあたる可能性があります。
- 使用するOSSのライセンス(MIT、Apache、GPLなど)を必ず確認し、利用条件を遵守する
- 契約書で「成果物の著作権の帰属」について明確に確認する
- 画像やアイコンなどの素材を利用する際は、商用利用が可能か、クレジット表記は必要かなどの利用規約を必ず確認する
業務委託契約書を確認して損害賠償のリスクを回避しよう
これまで見てきた4つのリスクを回避するために最も重要なのが、「業務委託契約書」の確認です。契約書は、あなたを理不尽な請求から守るための盾となります。
契約書を隅々まで確認し、不利な条項があればクライアントと交渉する勇気を持ちましょう。ここでは、特に重要な3つのポイントを解説します。
契約書で、損害賠償が発生する条件が「過失」なのか「重大な過失」なのかを確認しましょう。
- 過失:単なる不注意によるミス(例:軽微なバグの見落とし)
- 重大な過失:ほとんど故意に近い、著しい注意義務違反(例:テストを全くせずに納品)
賠償義務を「重大な過失の場合に限る」とすることで、予期せぬ不注意によるリスクを大幅に軽減できます。
賠償の範囲を「直接損害」のみに限定する条項は、フリーランスにとって生命線とも言えます。
- 直接損害:あなたの納品物が原因で直接発生した損害(例:バグの修正費用)
- 間接損害:結果的に生じた間接的な損害(例:システム障害による売上減少=逸失利益)
間接損害は青天井に膨れ上がる可能性があります。契約で「間接損害については責任を負わない」と明記し、リスクを限定しましょう。
万が一、賠償責任を負うことになった場合に備え、その上限額を定めておくことが極めて重要です。
一般的には、「当該業務の委託料を上限とする」という条項を設けます。これにより、50万円の案件であれば、最大のリスクも50万円に抑えることができます。
この条項がないと、数千万円の請求を受ける可能性もゼロではありません。必ず確認してください。
フリーランスエンジニアは損害賠償責任保険に加入しよう
契約書でどれだけリスク対策をしても、ヒューマンエラーを100%防ぐことは困難です。そこで、万が一の事態に備えるためのセーフティーネットが「損害賠償責任保険」です。

フリーランスでも入れる保険があるんだ!でも、保険料が高そう…。

心配は無用です。驚くほど低コスト、中には無料で加入できる保険もあります。クライアントへの信頼の証にもなるので、加入しない手はありません。
保険に加入していれば、万が一の際に発生する損害賠償金や弁護士費用などを補償してもらえます。これは精神的な安心材料として非常に大きいです。
また、保険に加入していることをクライアントに伝えれば、「リスク管理意識の高いエンジニアだ」と評価され、信頼獲得にも繋がります。
代表的なフリーランス向け損害賠償責任保険サービス
ここでは、多くのフリーランスに利用されている代表的なサービスを2つ紹介します。
GMOクリエイターズネットワーク株式会社が提供する、フリーランスのためのお金と保険のサービスです。最大の魅力は、無料で損害賠償保険に加入できる点です。
アカウントを開設し、事業用の振込口座を登録するだけで「あんしん補償」が自動付帯。情報漏洩や著作権侵害などで、最高5,000万円まで補償されます。フリーランスになったら、まず登録しておきたいサービスです。
フリーランスの支援を目的とした非営利団体です。年会費1万円で会員になると、最高1億円の補償が受けられる「賠償責任保険」が自動付帯します。さらに、福利厚生サービスや所得補償制度など、手厚いサポートが受けられるのが魅力です。
大規模な案件や、より高いリスクに備えたいエンジニアにおすすめです。
まとめ:備えあれば憂いなし!リスク管理で自由な働き方を守ろう
フリーランスエンジニアが損害賠償のリスクを負うのは、もはや他人事ではありません。しかし、正しい知識を身につけ、適切な対策を講じることで、そのリスクは大幅に軽減できます。
▼ 損害賠償が請求される4つのケース
- 情報漏洩
- 納品物の瑕疵(バグ)
- 納期遅延
- 著作権・ライセンス侵害
▼ 契約書で確認すべき3つのポイント
- 賠償発生の条件(「重大な過失」か)
- 賠償範囲の限定(「直接損害」のみか)
- 賠償額の上限(「委託料」が上限か)
▼ 最後の砦となる損害賠償保険
- まずは無料で始められるFREENANCEがおすすめ
- 手厚い補償を求めるならフリーランス協会も検討
会社員とは異なり、フリーランスは誰も守ってくれません。自分の身は、自分で守るという意識が何よりも重要です。
この記事で紹介した対策を実践し、リスク管理を徹底することで、あなたは安心して開発に集中し、フリーランスエンジニアとしてのキャリアをさらに飛躍させることができるでしょう。