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最近、AIでの画像生成にすっかりハマってしまった私。特に「ComfyUI」を使ったワークフロー構築は、まるでデジタルなプラモデル作りのようで、時間を忘れて没頭してしまいます。しかし、私の愛機であるノートPC『Acer Nitro AN515-58-N76Z46/4』の挙動がどうも怪しくなってきました。
モデルの読み込みが遅い、画像の生成中にPC全体が固まる…。タスクマネージャーを開くと、メモリ使用率が常に悲鳴を上げていました。それもそのはず、搭載メモリは16GB。AIを動かすには、正直もう限界でした。
「こうなったら、メモリを32GBに増設するしかない!」
決意はしたものの、PCの自作経験などない私にとって、ノートPCの内部をいじるのは未知の領域。ここから、私の右往左往しながらのメモリ増設の冒険が始まったのです。
Acer Nitro 5のメモリ増設って自分でできるの?
保証が切れちゃうのが心配…
どのメーカーのどんな規格のメモリを選べばいいか分からない
メモリ増設で失敗したくない!
- Acer Nitro 5 (AN515-58)のメモリ増設の現実的な可否
- 保証期間に関するリアルな考え方
- 主要3大メーカーのメモリ比較と選び方のポイント
- 初心者が絶対に間違えてはいけない「最大」の注意点
最初の壁:そもそも増設できるの?保証は?
まず最初にぶつかったのが、「そもそもこのPC、自分でメモリ増設していいのか?」という根本的な疑問でした。

PCの裏蓋を開けたら、保証が効かなくなるって聞くけど…
調べてみると、Acerの公式サイトには「ユーザーによるメモリの変更および増設はできません」という、なんとも絶望的な一文が。一瞬、専門業者に頼むしかないかと諦めかけました。
しかし、ここでふと我に返ります。
「待てよ?このPCを買ったのは2023年。メーカーの標準保証って1年じゃなかったか?」
そうです。購入日から1年以上が経過した今、そもそも失うメーカー保証がもう存在しなかったのです。もちろん、販売店の延長保証などに入っている場合は別ですが、私の場合、これに気づいたことで精神的なハードルが一気に下がりました。
メモリ選びの迷宮:CORSAIR、Crucial、シリコンパワーどれを選ぶ?
最初の関門を突破し、次はいよいよメモリ選び。Amazonで検索窓に「DDR5 4800MHz SO-DIMM 32GB」と打ち込むと、そこには無数の選択肢が…。

メーカーごとに特徴があります。違いを理解するのが重要です。
私が最終的に候補として絞ったのは、特にレビュー評価の高い3つのブランドでした。
メーカー | 特徴と個人的イメージ |
---|---|
CORSAIR | ゲーミングPCの世界では超有名ブランド。黒地に黄色のロゴがカッコいい。性能と信頼性のバランスが良く、自作erからの支持が厚いイメージ。「間違いない選択肢」の一つ。 |
Crucial | 半導体大手Micronの直系ブランドという、血統書付きの安心感。互換性や安定性はピカイチという評判。PCメーカーも純正採用することが多く、「究極の安定志向」ならコレ。 |
シリコンパワー | 台湾のメーカーで、何よりコストパフォーマンスが抜群。安価だからと侮るなかれ、品質も安定しており、賢い消費者から選ばれている印象。予算を抑えたいなら最有力候補。 |
正直、どのメーカーを選んでも私のPCの仕様(DDR5-4800MHz)で使う限り、性能に体感差が出ることはほぼありません。最終的にはブランドイメージと価格のバランスで決めることになります。
速度の罠:5600MHzのメモリは使える?
メモリを探していると、Crucial製の「5600MHz」という、より高速なメモリが目に留まりました。しかも、時として4800MHzの製品より安いことがある。「どうせなら速い方がいいのでは?」と、一瞬心が揺らぎます。
これも調べてみてわかったことですが、これは典型的な「初心者がハマる罠」でした。
1. PC本体(マザーボード)が対応している速度が上限になる
2. 私のAcer Nitro 5の上限は「4800MHz」
3. 5600MHzのメモリを挿しても、自動的に4800MHzに速度を落として動作する
つまり、性能は全く変わらないのです。もし5600MHzの製品がセールで安くなっていれば「買い」ですが、そうでなければ、PCの仕様に合った4800MHzの製品を選ぶのが最も合理的という結論に至りました。
最大の落とし穴:1枚挿し vs 2枚挿し【デュアルチャネルの重要性】
最終的に、私はブランドの信頼性と価格のバランスからCORSAIRのメモリに決めました。そしてまさに購入ボタンを押そうとしたその時、衝撃の事実に気づきます。
同じ32GBなのに、価格が微妙に違う2つの商品があるのです。
- CORSAIR DDR5 32GB [16GB×2枚] SO-DIMM ¥12,255 税込
- CORSAIR DDR5 32GB [32GB×1枚] SO-DIMM ¥12,855 税込
「え、どういうこと?1枚の方が高いの?」
これが、今回のメモリ増設における最大の分岐点でした。もしここで何も知らずに「とりあえず1枚で」と選んでいたら、私は増設したことを後悔していたでしょう。

枚数が違うと、何が変わるの?

PC全体のパフォーマンスが、全く変わってきます。
キーワードは「デュアルチャネル」。ほとんどのノートPCにはメモリスロットが2つあり、ここに同じ規格・容量のメモリを2枚挿すことで、データの通り道が2倍に広がり、パフォーマンスが劇的に向上するのです。
安くて、しかも高性能。 これを知ってしまったら、もう「16GB×2枚」セットを選ばない理由はありませんでした。この知識は、PCパーツに詳しくない人ほど知っておくべき重要なポイントだと痛感しました。
いざ開封、そして換装作業へ
数日後、無事にCORSAIRのメモリが到着。いよいよ換装作業です。精密ドライバーと、スマホの修理キットに入っていたプラスチック製のヘラを用意しました。
PCの電源を完全に切り、ACアダプターを抜きます。そして、作業前にドアノブなどの金属に触れ、体内の静電気を逃がしました。これが本当に重要で、精密機器は静電気の一撃で壊れてしまうことがあるそうです。
裏返して、見えるネジをすべて外します。ここまでは簡単。問題はここから。裏蓋はツメで固く閉まっているので、ヘラを隙間に差し込んで少しずつこじ開けていきます。「バキッ」という音がして心臓が止まりそうになりましたが、これはツメが外れる音。焦らず慎重に作業を進めました。
安全のためにバッテリーコネクターを外すのがセオリーですが、ここでトラブル発生。コネクターが想像以上に固く、なかなか外れません。下手に力を入れて基盤を壊すのが怖くなり、結局バッテリーは繋いだまま作業することに。本来は絶対に推奨されない方法なので、もし挑戦する方は細心の注意を払うか、詳しい人に頼むのが無難です。
メモリスロットの左右にある銀色のクリップを外側に開くと、メモリがポンと斜めに浮き上がります。あとは引き抜くだけ。新しいメモリをスロットにしっかり差し込み、カチッと音がするまで倒して固定。この作業は思ったより簡単で、気持ちの良い瞬間でした。
裏蓋を閉め、緊張しながら電源ボタンをオン。無事に起動し、タスクマネージャーで確認すると…そこには「メモリ:32.0GB」の文字が!思わずガッツポーズが出ました。
まとめ:メモリ増設はAI時代の必須科目。正しい知識で挑戦しよう
メモリを32GBに増設した結果、私のPC環境は劇的に改善されました。ComfyUIで複数のモデルを同時に読み込んでもカクつくことはなくなり、画像生成の待ち時間も明らかに短縮。まさに投資した価値は十分すぎるほどあったと断言できます。
今回の挑戦で学んだのは、正しい知識さえあれば、PCのアップグレードは決して難しいものではないということ。そして、その過程で最も重要なのは、高価なパーツを選ぶことではなく、自分のPCに合った正しい規格と構成を理解することでした。
1. 保証は冷静に判断:保証期間が過ぎていれば、過度に恐れる必要はない。
2. ブランドより規格:有名ブランドを選ぶ安心感も大事だが、PCに合った規格を選ぶことの方が100倍重要。
3. デュアルチャネルは絶対:メモリを増設するなら、必ず「2枚組」でデュアルチャネルを有効にすること。
もし、あなたもPCの動作が重いと感じているなら、メモリ増設は最もコストパフォーマンスの高い解決策の一つです。この記事が、あなたの「最初の一歩」を踏み出す助けになれば、これほど嬉しいことはありません。
本当のまとめ:自らの手でPCの限界を知り、最適な選択をする喜び
私のメモリ増設は、単なるパーツ交換では終わりませんでした。デュアルチャネルの重要性を知り、JEDECとXMPの規格の違いに気づき、そして自分の愛機の「限界」を正確に知ることになりました。
パフォーマンスが思ったほど伸びなかった当初のモヤモヤは、XMPが使えないという事実を知ることで、「これがこのPCのポテンシャルを最大限に引き出した状態なのだ」という明確な納得に変わりました。
もしあなたがメーカー製PCのアップグレードを考えているなら、覚えておいてほしいことがあります。
1. デュアルチャネルは生命線:メモリは必ず「2枚組」で性能を最大化する。
2. XMPは期待しない:メーカー製PC、特にノートPCではXMP設定ができないのが基本。JEDEC規格準拠のメモリを選ぶのが最も確実で無駄がない。
3. 限界を知る:自らの手で調べ、実践することで、PCへの理解が深まり、より的確な投資ができるようになる。
今回の経験は、私にとって大きな自信になりました。ただ闇雲に高性能なパーツを求めるのではなく、自分の環境の制約を理解した上で、その中で最善の選択をする。これこそが、PCと長く付き合っていく上での本当の面白さなのかもしれません。