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最近、AIでイラストを生成できる「Stable Diffusion」が話題だけど、設定項目が多すぎて何が何だか分からない…なんて悩んでいませんか?
理想のイラストを生成するには、いくつかの専門用語や設定の意味を理解しておく必要があります。
この記事では、Stable Diffusionの基本的な使い方から、知っていると便利な応用機能まで、誰でもわかるように解説していきます。
Stable Diffusionの使い方がよくわからない
設定項目が英語で意味不明…
もっとクオリティの高いイラストを作りたい!
- Stable Diffusionの基本的な設定項目の意味
- 高品質なイラストを生成するための数値の目安
- 作業効率がアップする便利な機能
- 思い通りのイラストに近づける呪文(プロンプト)のコツ
まずは基本画面を日本語化しよう
設定を始める前に、まずは画面を日本語化しておくと、ぐっと使いやすくなります。
画面上部にある「Settings」タブをクリックします。
左側のメニューから「User Interface」を選択し、「Localization」の項目で「ja_JP」を選びます。
画面上部のオレンジ色のボタン「Apply settings」を押し、その隣の「Reload UI」ボタンで画面を更新すれば日本語化は完了です。
Stable Diffusionの基本設定項目をマスターしよう
ここからは、イラスト生成で主に使用する「txt2img」タブの各設定項目について解説していきます。
サンプリングアルゴリズム(Sampling method)

ロベルトさん、サンプリングアルゴリズムって何ですか?種類が多くて選べません…。

これは「画風」を決める設定だと考えると分かりやすいです。同じ呪文でも、ここが違うだけでイラストの雰囲気が大きく変わります。
サンプリングアルゴリズムは、ノイズからイラストを生成するための計算方法の違いです。
正直なところ、どれが優れているかは個人の好みが大きいです。迷ったら、多くの人が使っている定番のものを選ぶのがおすすめです。
サンプリング回数(Sampling steps)
サンプリング回数とは、AIが画像をどれだけ丁寧に描き直すか、その試行回数のことです。
生成ボタンを押すと、ぼやけた画像がだんだん鮮明になっていきますよね。あの工程を何回繰り返すかを指定するのがこの数値です。
数値が低すぎると、修正回数が足りず、未完成のようなイラストになってしまいます。
逆に、数値を高くすればするほどクオリティは上がりますが、その分、生成にかかる時間も長くなります。
幅と高さ(Width & Height)
文字通り、出力するイラストのサイズを決める項目です。
Stable Diffusionは、基本的に512×512ピクセルの正方形のイラストを生成するのが最も得意です。
しかし、キャラクターの全身を入れたい場合など、正方形だと収まらないこともありますよね。
その場合は、「幅512 × 高さ768」や「幅512 × 高さ960」といった縦長のサイズに設定するのがおすすめです。後からトリミングして調整しましょう。
バッチ回数(Batch count)とバッチサイズ(Batch size)

どっちも生成枚数っぽいけど、違いがよくわからないです…。

これは、最終的に「バッチ回数 × バッチサイズ」の枚数が生成される、と覚えておけばOKです。
例えば、「バッチ回数:3」「バッチサイズ:2」に設定すると、2枚のイラストを生成する処理が3回繰り返され、合計6枚のイラストが完成します。
基本的には、パソコンへの負荷が軽い「バッチ回数」のほうで生成枚数を調整するのがおすすめです。「バッチサイズ」は1のままにしておきましょう。
CFGスケール(CFG Scale)
CFGスケールは、入力した呪文(プロンプト)にAIがどれだけ忠実に従うかを示す数値です。
数値を高くするほど呪文に忠実なイラストになりますが、上げすぎるとイラストが破綻しやすくなるので注意が必要です。
一般的には7〜11程度の数値がよく使われます。まずはデフォルトの7で試してみて、イメージと違えば調整してみるのが良いでしょう。
シード(Seed)
シード値は、イラストの構図や雰囲気を決めるための「乱数」です。
デフォルトの「-1」は、毎回ランダムなイラストを生成するという設定です。つまり、同じ呪文でも生成するたびに全く違うイラストが出来上がります。
もし気に入ったイラストが生成されたら、生成結果に表示されるシード値をコピーして入力欄に貼り付けることで、そのイラストを再現できます。これを「シード値を固定する」と言います。
シード値を固定すれば、呪文を少し変えるだけで表情や服装の差分を作ることができ、非常に便利です。
その他の設定項目
他にもいくつか設定項目がありますが、今回は使用しないため簡単に紹介するにとどめます。
1.顔の修復(Restore faces):オンにすると、人物や動物の顔の崩れを自動で補正してくれます。
2.タイリング(Tiling):オンにすると、上下左右がつながるシームレスな画像を生成します。模様やテクスチャ作成に便利です。
3.高解像度補助(Hires. fix):オンにすると、イラストの画質を向上させることができます。
応用編:便利なスクリプト機能を使ってみよう
基本設定の下にある「スクリプト」の項目を使えば、さらに効率的にイラスト生成を進められます。ここでは特に便利な2つの機能を紹介します。
プロンプトマトリックス(Prompt matrix)
この機能を使うと、呪文(プロンプト)の様々な組み合わせを一度に試すことができます。
例えば、「school girl | hair ribbon | cat ears」のように、試したい単語を縦線「|」で区切って入力します。
これにより、「school girl」をベースに、「hair ribbon」と「cat ears」の有無による全4パターンの組み合わせが自動で生成され、どの要素がイラストにどう影響するかを比較できます。
XYZプロット(X/Y/Z plot)

この機能、めちゃくちゃ便利そうですね!

その通り!「もっといい設定があったかも…」という不安を解消してくれる、私のお気に入り機能です。
XYZプロットは、異なる設定で生成したイラストを一覧で比較できる機能です。
例えば、X軸に「Sampling steps」を設定して「10, 20, 30」と入力し、Y軸に「CFG Scale」を設定して「7, 9, 11」と入力すると、それぞれの数値を組み合わせた結果が格子状に並べて表示されます。
いちいち設定を変えて生成し直す手間が省け、最高の設定値を見つけるのに非常に役立ちます。
理想のイラストに近づける!呪文(プロンプト)のコツ
Stable Diffusionを使いこなす上で最も重要なのが、この呪文(プロンプト)です。いくつかコツを掴んでおきましょう。
キーワードの影響度を調整する
呪文の中でも、特にイラストに反映させたい重要なキーワードは、カッコで囲むことで影響度を調整できます。
- 影響度を上げる: {キーワード} や {{キーワード}} のように波括弧で囲む。括弧が多いほど影響が強くなります。
- 影響度を下げる: [キーワード] や [[キーワード]] のように角括弧で囲む。括弧が多いほど影響が弱まります。
これだけは入れておきたい!汎用ネガティブプロンプト集
ネガティブプロンプトは、イラストに含めてほしくない要素を指定する欄です。
特に、低品質なイラストや、手・指の崩れなどを防ぐためによく使われます。以下の呪文は汎用性が高いので、コピーして使ってみてください。
bad anatomy, blurry, bad hands, missing fingers, low quality, cropped, error, signature, fewer digits, normal quality, username, text, water mark, extra digit, worst quality, jpeg artifacts, lowres, bad feet, missing arms, long neck, mutated hands, disfigured, ugly
よくある質問
- 気に入ったイラストと同じものをまた作りたいのですが…
- 生成結果に表示される「シード(Seed)」の値をコピーして、シード入力欄に貼り付ければOKです。シード値を固定することで、同じ構図や雰囲気のイラストを再現したり、表情や服装の差分を作ったりできます。
- 呪文(プロンプト)を考えるのが難しいです…
- 最初は、呪文の予測・提案をしてくれるツールを参考にするのがおすすめです。「DeepDanbooru」や「Magic Generator」などのツールを使えば、画像から呪文を抽出したり、簡単な選択肢から呪文を生成したりできます。
まとめ
今回は、Stable Diffusionの基本的な使い方と設定項目について解説しました。
1. 基本設定はまずデフォルト値で試してみる
2. 気に入った画風は「シード値」を固定して再現
3. 「XYZプロット」で最適な設定を効率的に探す
4. ネガティブプロンプトでイラストの品質を安定させる
専門用語が多くて難しく感じるかもしれませんが、実際に触りながら各設定の効果を確かめていくのが上達への一番の近道です。
この記事を参考に、ぜひあなただけの最高のイラストを生成してみてください!