【検証】Vercel無料プランでAPIはどこまで使える?Python実行サーバーの限界を徹底解説

最先端のWebサイトを簡単に公開できると話題の「Vercel」。

その多機能さから、「もしかして、自作したプログラムを動かすAPIサーバーとしても使えるのでは?」と考えたことはありませんか?

読者さん
読者さん

まさにその点が気になっています!Vercelの無料プランで、自作のPythonプログラムをAPIとして動かせるのか知りたいです。

ロベルト
ロベルト

その疑問、この記事で解決できます。結論から言うと、無料プランで驚くほど高性能なAPIサーバーとして利用可能です。

この記事では、ご提示いただいた流れに沿って、Vercelの基本からAPIサーバーとしての具体的な使い方、そして無料プランの限界までを一つずつ丁寧に解説していきます。

この記事でわかること
  • Vercelの基本とAPIサーバーとしての可能性
  • Vercel無料プラン(Hobby)のAPI利用制限の詳細
  • ブログ記事自動化ツールを無料運用する具体的な方法
  • 無料で変換できる記事本数の上限(シミュレーション)

Step1. Vercelとは? – 面倒なサーバー管理が不要な開発プラットフォーム

まず、Vercelの基本からおさらいしましょう。

Vercelは、WebサイトやWebアプリケーションを驚くほど簡単に公開(デプロイ)できるクラウドプラットフォームです。

通常、Webサービスを公開するにはサーバーを契約し、OSやソフトウェアをインストールし…といった面倒な作業が必要ですが、Vercelはそうしたインフラ管理をすべて自動化してくれます。開発者はプログラムのコードを書くことだけに集中できるのが最大のメリットです。

Step2. VercelをAPIサーバーとして利用できるのか?

答えは、「YES」です。

Vercelの強力な機能の一つに「サーバーレス関数(Serverless Functions)」があります。これは、特定のURLにアクセスがあった時だけプログラムを実行してくれる仕組みで、まさにAPIサーバーそのものとして機能します。

常にサーバーを起動しておく必要がなく、リクエストがあった瞬間だけ動くため、非常に効率的でコストを抑えられるのが特徴です。

読者さん
読者さん

なるほど!サーバーレス関数を使えば、自作のプログラムをAPIとして公開できるんですね!

Step3. 【実践】ブログ記事自動化プログラムをAPI化する

では、あなたの具体的な目的である「ブログ記事自動化プログラム」をVercelで動かすケースを考えてみましょう。

実現したいこと
  • 目的:ブログ執筆の効率化
  • プログラム:マークダウンをGutenbergブロック形式に変換するPythonプログラム
  • 主要ライブラリ:mistune
  • 利用方法:API経由でプログラムを呼び出し、変換結果を受け取る

この仕組みを実現するために、VercelがPythonや`mistune`ライブラリに対応している必要があります。

そして結論から言うと、これも全く問題ありません。VercelはPythonのサーバーレス関数を公式にサポートしており、`requirements.txt`ファイルに`mistune`と記述しておけば、デプロイ時に自動でインストールしてくれます。

ロベルト
ロベルト

技術的な前提条件はすべてクリアできました。いよいよ、無料プランでどこまで使えるのかを検証していきましょう。

Step4. 無料でどれくらい使える?変換可能記事数を計算!

ここが最も重要なポイントです。あなたの「ブログ記事変換ツール(1記事約7,000文字)」が、Vercelの無料プラン(Hobbyプラン)で月に何回まで実行できるのかを具体的に計算してみましょう。

APIの利用制限で重要になるのは、主に「呼び出し回数」と「実行時間」の2つです。

検証①:関数呼び出し回数(Function Invocations)の制限

まず、最もシンプルで分かりやすい「呼び出し回数」の制限から見ていきます。

呼び出し回数に基づく計算
  • 無料プランの上限:100,000回/月
  • 想定:1記事の変換 = 1回のAPI呼び出し
  • 結論:月間 100,000記事まで変換可能

検証②:関数実行時間(Function Duration)の制限

次に、少し複雑な「実行時間」の制限も確認します。`mistune`による7,000文字の変換は一瞬ですが、ここではかなり保守的に、多めに見積もって計算してみましょう。

実行時間に基づく計算(保守的な試算)
  • 無料プランの上限:100 GB-hour/月
  • メモリ使用量(多めに想定):256MB (0.256GB)
  • 変換時間(多めに想定):1秒
  • 結論:理論上、約1,400,000回/月まで実行可能

この計算をした時、30分かけて心配していた僕の悩みが、わずか5分で「余裕すぎる!」という確信に変わりました。

読者さん
読者さん

すごい…!つまり、実行時間よりも呼び出し回数の「月10万回」が実質的な上限ということですね!

その通りです。月に10万記事を変換することは、個人のブログ運用ではまずありえません。毎日1記事変換したとしても月30回程度なので、無料プランの制限を超える心配はほぼ皆無と言えるでしょう。

知っておくべき注意点と実践的なハック

最後に、無料プランを使う上でいくつか知っておきたい注意点と、僕なりの工夫を共有します。

ここに注意
  • 商用利用:可能ですが、広告を掲載する個人ブログでの利用は規約で許可されていません。
  • ログ保持期間:APIのエラーログなどが保持されるのはわずか1時間です。
  • 制限超過:上限を超えるとアカウントが一時停止される可能性があります。
ロベルト
ロベルト

特にログ保持期間は要注意です。以前、エラーの原因調査でハマった時、いざ確認しようとしたらログが消えていて真っ青になりました。

この「痛み」の経験から、僕の個人的なハックとしては、本格的な運用をするなら、DatadogやSentryのような外部のエラー監視ツールと連携させることをお勧めします。Vercelのデフォルト設定はデバッグには少し不便ですが、この一手間を加えるだけで劇的に開発しやすくなります。

よくある質問(FAQ)

無料プランで独自ドメインは使えますか?
いいえ、HobbyプランではVercelが提供するドメイン(.vercel.app)のみ利用可能です。独自ドメインを利用するにはProプランへのアップグレードが必要です。
制限を超えたらすぐに請求されますか?
Hobbyプランでは、制限を超えても自動的に請求されることはありません。その代わり、サービスの利用が一時的に停止されたり、プロジェクトがスリープ状態になったりする可能性があります。

まとめ

今回は、Vercelの無料プランをAPIサーバーとして利用する場合の具体的な手順と制限について解説しました。

3つのポイント

1. Vercelはサーバーレス関数機能で、高性能なAPIサーバーになる

2. 無料で月10万回までAPI呼び出し可能で、個人利用には十分すぎる

3. ログ保持期間など、いくつかの注意点を理解して使うことが重要

Vercelの無料プランを賢く活用すれば、コストをかけずにブログ執筆のような日々の作業を自動化し、効率を飛躍的に向上させることができます。ぜひ、あなたのプロジェクトで試してみてください。

Vercel公式サイトで確認する