【GASで解決】Googleフォームのメール通知を完全カスタマイズ!管理者と顧客に最適なメールを自動送信する方法

こんな悩みを解決できます

Googleフォームのメール通知設定が複雑でよくわからない…

管理者とお客様に、それぞれ内容の違うメールを自動で送りたい

アドオンを使ってみたけど、意図通りに動かない!

問い合わせ対応を効率化して、ビジネスを加速させたい

読者さん
読者さん

Googleフォームから問い合わせがあった時に、お客様には自動返信メール、管理者には回答内容がわかる通知メールを送りたいんだけど、設定が複雑で…。

Googleフォームは非常に便利ですが、メール通知の設定でつまずく方は少なくありません。特に、管理者と回答者で内容の違うメールを送りたい場合、標準機能だけでは対応できず、アドオン(拡張機能)を導入してもうまくいかない…というケースは頻発します。

しかし、ご安心ください。この記事で紹介する「Google Apps Script(GAS)」を使えば、その悩みはすべて解決できます。

この記事でわかること
  • Googleフォームのメール通知の3つの方法とそれぞれの長所・短所
  • アドオン不要!GASを使ってメール通知を完全自動化する具体的な手順
  • コピペで使える!管理者とお客様に別々のメールを送るためのGASコード
  • GAS設定時によくあるトラブルと、その解決策

この記事を最後まで読めば、あなたはGoogleフォームのメール設定マスターになり、問い合わせ対応のストレスから解放されるでしょう。

Googleフォームの回答をメールで受け取る3つの方法

まず、Googleフォームのメール通知には、大きく分けて3つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、なぜGASが最適なのかを知っておきましょう。

方法1:標準の通知機能(手軽さNo.1)

Googleフォームに元から備わっている機能です。「回答」タブのメニューから「新しい回答についてのメール通知を受け取る」にチェックを入れるだけで設定できます。

  • メリット:設定が非常に簡単。
  • デメリット:通知先はフォームのオーナーのみ。メール本文のカスタマイズが一切できず、シンプルな概要メールしか届かない。

方法2:アドオン(拡張機能)を使う

Email Notifications for Google Forms」などのアドオンをインストールする方法です。プログラミング知識がなくても、ある程度複雑な設定が可能です。

  • メリット:条件分岐など、標準機能にはない柔軟な設定ができる。
  • デメリット:海外製が多く設定が分かりにくい。無料版には送信数制限がある場合が多い。複数のアドオンが干渉し、意図しない動作やトラブルの原因になりやすい。

方法3:Google Apps Script (GAS) を使う(本記事の結論)

Googleが提供するプログラミング言語を使って、独自の機能を実装する方法です。

  • メリット制約がほぼなく、やりたいことを100%実現できる。アドオンのようにアップデートで動かなくなる心配がなく、動作が確実で安定的。送信数制限もほぼない。
  • デメリット:プログラミングの知識が多少必要。(ただし、この記事のコードをコピペすれば知識不要です!
ロベルト
ロベルト

アドオンの不安定さに悩むより、GASで確実に動くシステムを構築するのが一番の近道です。設定は驚くほど簡単ですよ。

GASを使った最強のメール通知システム構築方法

読者さん
読者さん

GASって聞くと難しそう…。プログラミングなんてやったことないんだけど、大丈夫かな?

ロベルト
ロベルト

全く問題ありません。この記事で提供するコードをコピー&ペーストするだけです。コードの意味を理解する必要は一切ありませんよ。

これから、コピペだけで実装できるGASの設定手順を、誰にでもわかるように解説します。

GASで実装するメール通知システムの完成形

今回構築するシステムでは、フォームが送信された瞬間に、2種類のメールが自動的に送信されます。

1. 管理者向けの通知メール

誰が、どんな内容で問い合わせてきたかが一目でわかる、回答内容が一覧になった詳細なメールが届きます。これにより、迅速な対応が可能になります。

2. お客様向けの自動返信メール

「お問い合わせありがとうございます」といった、丁寧なお礼の文章がお客様に届きます。これにより、お客様に安心感を与え、信頼関係を築く第一歩となります。

設定は簡単3ステップ!GAS構築手順

それでは、実際に設定していきましょう。以下の手順通りに進めてください。

ステップ1:スクリプトエディタを開く

まず、設定したいGoogleフォームの編集画面を開きます。
画面右上の縦3点リーダー(︙)をクリックし、メニューから「スクリプトエディタ」を選択してください。

新しいタブで、コードを記述するための画面が開けばOKです。

ステップ2:コードをコピー&ペーストする

スクリプトエディタに最初から書かれている `function myFunction() { … }` という文字は、すべて削除してください。

そして、以下のコードをすべてコピーし、空になったエディタ画面に貼り付けます。

// --- 設定項目 ---

// 【設定1】管理者向けの通知先メールアドレス
const ADMIN_EMAIL_ADDRESS = 'ここに管理者メールアドレスを入力';

// 【設定2】お客様向け自動返信メールの件名
const CUSTOMER_REPLY_SUBJECT = 'お問い合わせありがとうございます。';

// 【設定3】お客様向け自動返信メールの本文
const CUSTOMER_REPLY_BODY = `この度は、お問い合わせいただきましてありがとうございます。
本日お問合わせを受け付けました。
担当者よりご連絡を致しますので今しばらくお待ちくださいませ。

------------------------------------
株式会社〇〇
〒XXX-XXXX 東京都〇〇区〇〇 X-X-X
TEL: XX-XXXX-XXXX
------------------------------------`;

// 【設定4】お客様向け自動返信メールの送信者名
const SENDER_NAME = 'SYITT OilWater お問い合わせフォーム';


// --- ここから下はプログラムの本体(通常は編集不要)---

function sendEmailNotifications(e) {
try {
const itemResponses = e.response.getItemResponses();
let adminMailBody = 'ウェブサイトのお問い合わせフォームから新しい回答がありました。\n\n';
let customerEmail = '';
const formRespondentQuestionTitle = 'メールアドレス';

itemResponses.forEach(function(itemResponse) {
const question = itemResponse.getItem().getTitle();
const answer = itemResponse.getResponse();
adminMailBody += '■ ' + question + '\n' + answer + '\n\n';
if (question === formRespondentQuestionTitle) {
customerEmail = answer;
}
});

const adminMailSubject = '【' + e.source.getTitle() + '】に新しい回答がありました';

if (ADMIN_EMAIL_ADDRESS) {
MailApp.sendEmail(ADMIN_EMAIL_ADDRESS, adminMailSubject, adminMailBody);
}

if (customerEmail) {
MailApp.sendEmail({
to: customerEmail,
subject: CUSTOMER_REPLY_SUBJECT,
body: CUSTOMER_REPLY_BODY,
name: SENDER_NAME
});
}
} catch (error) {
Logger.log(error.toString());
}
}

コードを貼り付けたら、エディタの上部にあるフロッピーディスクのアイコン(プロジェクトを保存)を忘れずにクリックしてください。

コードのカスタマイズ箇所

貼り付けたコードの一番上にある4つの設定項目を、ご自身の環境に合わせて書き換えるだけでOKです。

  • `ADMIN_EMAIL_ADDRESS`: 通知を受け取りたい管理者の方のメールアドレスに書き換えます。
  • `CUSTOMER_REPLY_SUBJECT`: お客様に送る自動返信メールの件名です。お好きな内容に変更できます。
  • `CUSTOMER_REPLY_BODY`: お客様に送る自動返信メールの本文です。署名なども含めて自由に編集してください。
  • `SENDER_NAME`: お客様がメールを受け取ったときに表示される送信者名です。会社名やサービス名を設定しましょう。
ステップ3:トリガーを設定する

最後に、このプログラムが「フォームが送信されたとき」に自動で動くように「トリガー」を設定します。

エディタの左側にあるメニューから、目覚まし時計のアイコン(トリガー)をクリックします。
画面右下の青い「トリガーを追加」ボタンをクリックしてください。

そして、表示された画面で以下のように設定します。

  • 実行する関数を選択: `sendEmailNotifications`
  • イベントのソースを選択: フォームから
  • イベントの種類を選択: フォーム送信時
ここに注意

初めてトリガーを保存するとき、「承認が必要です」という画面が表示されます。これはご自身のGoogleアカウントでスクリプトがメールを送信することを許可するための正常な手順です。ご自身のアカウントを選択し、「詳細」→「(安全でないページ)に移動」→「許可」と進んでください。

設定が終わったら「保存」ボタンをクリックします。

ロベルト
ロベルト

以上で、すべての設定は完了です!これでフォームを送信すれば、設定通りに2種類のメールが自動で届くはずです。

【トラブル解決】GAS設定の「よくある質問」

GASの設定はコピペで完了しますが、いざ運用を始めると「あれ?」と思う場面が出てくるかもしれません。ここでは、実際によくある質問とその解決策をまとめました。

管理者宛ての通知メールが「受信トレイ」に届きません!
これは、Gmailの仕様が原因で起こる非常によくある現象です。

原因
GASから送られるメールは「自分(のGoogleアカウント)から自分へ」送られたと見なされます。Gmailには、自分から自分へのメールは受信トレイを散らかさないよう、自動的にアーカイブする(受信トレイをスキップする)仕様があるためです。

解決策
Gmailの「フィルタ」機能を使って、このメールを強制的に受信トレイに入れる設定をします。

1. Gmailの設定から「フィルタとブロック中のアドレス」を開く
2. 「新しいフィルタを作成」をクリック
3. From: に自分のメールアドレス(管理者アドレス)を入力
4. 件名: に管理者向けメールの件名の一部(例:`【SYITT OilWater お問い合わせフォーム】`)を入力
5. 「フィルタを作成」をクリック
6. 次の画面で「迷惑メールにしない」に必ずチェックを入れる
7. 最後に再度「フィルタを作成」をクリックして完了です。

この設定で、GASからの通知は必ず受信トレイに届くようになります。
フォームの質問項目を変更したら、動かなくなりました。
これは非常に重要なポイントです。答えは**「コードの一部分だけ修正が必要」**です。

原因
お客様に自動返信メールを送るため、GASは「どの質問がお客様のメールアドレスか?」を知る必要があります。その目印として、質問の「名前(タイトル)」をコード内で指定しています。

修正が必要なケース
フォームの「メールアドレス」という質問項目の名前(タイトル)を変更した場合です。
例えば、「メールアドレス」を「ご連絡先メールアドレス」に変更した場合、GASは目印を見失い、お客様への自動返信ができなくなります。

修正方法
スクリプトエディタを開き、コードの中の以下の部分を探してください。
`const formRespondentQuestionTitle = ‘メールアドレス’; `
この行の `’メールアドレス’` の部分を、新しく変更した質問名(例:`’ご連絡先メールアドレス’`)に書き換えて保存すればOKです。

「会社名」や「お名前」など、メールアドレス以外の質問項目は、名前を変更したり、追加・削除したりしても、コードを修正する必要は一切ありません。管理者向けのメールは、全ての質問と回答を機械的に取得して一覧にしているため、フォームの変更に自動で対応してくれます。
以前使っていたアドオンが原因で、意図しないメールが届きます。
GASを設定した後も、なぜか昔設定したアドオンからの通知が届いてしまうことがありますね。

原因
GASとアドオンは別々に動作します。アドオンの通知設定をオフにしたり、アンインストールしたりしない限り、動き続けてしまいます。

解決策
不要なアドオンを完全に停止させましょう。

1. フォーム右上のパズルのピースアイコン(アドオン)をクリック
2. 「アドオンを管理」を選択
3. 不要な通知系のアドオンを見つけ、右側のメニュー(︙)から「アンインストール」を選択します。

これで、GASから送信されるメールだけが届くようになり、管理が非常にシンプルになります。

まとめ:GASで問い合わせ対応を次のステージへ

読者さん
読者さん

コピペだけで、本当に理想のメール通知システムが作れた!これならアドオンの不具合に悩まされずに済みそう。

今回は、Googleフォームのメール通知をGASで完全にコントロールする方法を解説しました。

アドオンは手軽ですが、設定の複雑さや予期せぬトラブル、サービスの終了リスクといったデメリットも抱えています。

一方でGASは、一度設定してしまえば、無料で、安定的に、そして思い通りに動作する、あなただけの強力な業務アシスタントになってくれます。

GAS導入で得られる3つのメリット

1. 業務効率の劇的な向上:手動でのメール確認や返信作業から解放されます。

2. 顧客満足度の向上:迅速で丁寧な自動返信により、お客様に安心感と信頼感を与えます。

3. ミスの防止:対応漏れや返信忘れといったヒューマンエラーをなくします。

この記事のコードを参考に、ぜひあなたもGoogleフォームを最強の問い合わせツールに進化させてみてください。